歴代最高も驚き見せず 「まあ初戦だし」 羽生の一問一答
朝日デジタル 2017/09/23
「はい。まあでもハビ(ハビエル・フェルナンデス)も100点超えていましたし、自分自身しっかりこの構成でいい演技ができたこと、とにかく本当にミスなく自分の中でも質としても非常に納得できる演技で、まずショート(プログラム)で(最高を)超えられたので。(当初予定していた4回転ループではなく、4回転サルコーにして)構成を落としたとしても、本番ですべて出し切るのは非常に難しいことだと思っている。そういう意味では一つ成長できたかなと思っている」
──丁寧に滑り出していた。
「この曲を聞き込んでいるというのも、もちろんありますし、今自分がしたい(ショパンの)バラード第1番の表現が、静かなところからだんだんと、ふつふつと湧き上がってくるようなものを目指して今日はやっていた。そういった意味では一つ一つ丁寧にと思っていました。」
──ステップは攻めきれなかったか。
「レベルがどうなのかちょっとわからないが、まあステップもちょこちょこ変えていますし、そういった意味では緩急の使い方とかを、またさらに良くしていく必要あるかなと思います」
──演技後の手を広げるしぐさは。
「うん。よかったね、と思って。後半の4回転トーループでターンから入って、手を上げて(跳ぶ)のも初めてでしたし、それプラス、ショー以外で、SPで後半の4回転がまだ決まったことなかったので。(冒頭のジャンプが4回転ループではなくて)サルコーだったけど、でも、ちゃんとここまでできたよ、ほら見て、みたいなことをブライアンのほうにやりました」
──この曲はしっくりくるか。
「しっくりくるというか、表現したいことがすごく明確なプログラム。その時その時の感情の違う自分を表現できるプログラムの一つ。やっていて心地いいです」
──今日はどんな感情だったか。
「徐々に徐々にという感じはすごく思いました」
──得点を聞いたときは。
「ブライアンが最初に、フランス語のアナウンスを聞いて112だよと。ああ、そんなに出るんだ、みたいなこと言ったんですけど。12と聞いて、あれ、12なのかなって思って。12ってなんだろうと最初思っていて。でも、まあ自分の中で最初からハビエルが01取っている段階で、自分のベストは110だよというのをすごく頭の中で思いながらやっていました。あとは冷静に考えてみて、(自己ベストを出した)あのときは前半に4回転二つなので、それとは全く違うレベルのものをやっていると思いますし、実際にターンから入ったりとか、手を上げて跳んだりとか、そういうことも成長できているところだと思う。そして点数もおのずといい演技ができれば出るなと、自信を持ってやっていました」
──それで全然驚いていないのか。
「なんか。まあ初戦だし。もちろんこれをベースにこれから戦っていかなければいけないことになると思いますけど。このプログラムは自分が2回も世界最高を取っているし、110点も2回取っているので、自信を持って滑れたのかなと思います」
──自分に対する期待感は高まっているか。
「今日試した集中の仕方とか、(フリーの世界歴代最高得点を出した)世界選手権のフリーを参考にしたりとかして試した集中の仕方が、しっかりとはまりきったことは自分の中でも評価したいなと思っていますし。あとは、まだ22(歳)ですけれども、スケートの今までの人生の中で数えてみたら、100回以上試合をしている。そういった一つ一つのことを思い出しながら、自分がどういうときにいい演技ができたかなということをしっかり振り返りながら、また明日に向けて、また今シーズンに向けてしっかりやっていきたい」
──(演技直前に触った)プーさんには行ってくるよと。
「なんて言ったんだろう。よしよしみたいな。すみません。ありがとうございました。ありがとうございます。ありがとうございます。また明日お願いします」
羽生「最初にルッツがパンク(回転不足)して…集中はどこかにいってしまった」 一問一答
SANSPO 09/24
フィギュアスケート・オータム・クラシック 最終日(カナダ・モントリオール23日=日本時間24日)来年2月の平昌五輪で、66年ぶりの2連覇を狙う男子の羽生結弦(22)=ANA=は合計で268.24点で2位だった。ショートプログラム(SP)では世界歴代最高得点の112.72点をマークして首位に立ったが、フリーは155.52点にとどまった。元世界王者のハビエル・フェルナンデス(26)=スペイン=が合計279.07点で優勝した。演技後の主な一問一答は以下の通り。
──体力が厳しかったのか
「最初に3回転(ジャンプ)の連続は難しいと思った。誰もやったことがないので、こんな(高難度な)構成。未体験の領域だった」
──演技を終えて何かつぶやいた
「『しょうがねえ』って。(今季の)初戦だった。悔しさという大きな収穫を手に入れることができた。SPの得点や演技内容では『五輪で優勝するぞ』という、自分が強いイメージを与えられたと思う。強い自分を追いかけながら、さらに難しい構成で追い抜いてやろうと思う」
──昨日(SP)と比べ、体の状態や精神面で違いがあった
「特にない。良いSPの後のフリーはもちろん難しいとわかっている。ちょっと余計な力が入り過ぎた」
──高難度な構成で、昨日(SP)より気持ちが入っていた
「難しいと言っては、おしまい。間違いなく実力不足。もっと練習しないといけない。(右)膝の違和感があって、構成を落としてぐちゃぐちゃになって、終わってしまった。その違和感を覚える練習をしていたのは僕の調整力不足。五輪に向けて体を作りながら、良い試合をし続けなければいけないシーズン。良い初戦だった」
──今までも悔しい経験をしてきた。きょうの悔しさのレベルは
「もどかしい悔しさです。やっぱり(4回転)ループを跳べばよかったとも思う。(4回転)ルッツもできなくはない。その点でも、もどかしい」
──挑戦する方が楽しい
「競技者なので。やっぱり挑戦しないと僕らしい演技は絶対にできない」
──気持ちで演技を乗り越えようとしていた
「最初にルッツがパンク(回転が不足)して、いろいろ考えて、集中はどこかにいってしまった。集中力の弱さはスケート人生の中で永遠の課題。良いとき悪いときの差が激しい」
ここから追記
とてもいい記事だったので。自分用としても。
【岡崎真の目】サルコー→ループで1.5点上積み、まだ伸びしろある
スポニチ 9/24
自分に似合うことは分かっている過去の洋服をタンスから出してきた場合、慣れているからこそ“お約束”の着方になるケースはある。だが、この日の羽生は、過去を超える見事な着こなしができることを証明した。まして、使用曲は2季前のGPファイナルで史上最高得点をマークしたもの。全ての面で洗練された今回の演技で、心配は杞憂(きゆう)に終わったと感じた。
4回転ループを回避したことで、要素は15年と全く同じものとなった。4回転トーループ―3回転トーループが後半に組み込まれたことが主な加点要因となったが、それ以外にも踏み切り前に小刻みなターンを加えたり、連続ジャンプの2発目で両手を上げたり、こまやかな工夫が光った。中でも間の取り方の洗練具合には、感心させられた。
ループはフリーレッグ(軸足でない方の脚)に頼れず軸足の負担が大きいため、不安があるうちは回避するのが賢明だろう。一方で、サルコーをループに替えると基礎点で1.5点の上積みも計算できる。つまり、SPの得点は伸びしろがある。同じように「似合う」ことが分かっているフリーでどんな演技を見せてくれるか、とても楽しみだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)
とてもいい記事だったので。自分用としても。
【岡崎真の目】サルコー→ループで1.5点上積み、まだ伸びしろある
スポニチ 9/24
4回転ループを回避したことで、要素は15年と全く同じものとなった。4回転トーループ―3回転トーループが後半に組み込まれたことが主な加点要因となったが、それ以外にも踏み切り前に小刻みなターンを加えたり、連続ジャンプの2発目で両手を上げたり、こまやかな工夫が光った。中でも間の取り方の洗練具合には、感心させられた。
ループはフリーレッグ(軸足でない方の脚)に頼れず軸足の負担が大きいため、不安があるうちは回避するのが賢明だろう。一方で、サルコーをループに替えると基礎点で1.5点の上積みも計算できる。つまり、SPの得点は伸びしろがある。同じように「似合う」ことが分かっているフリーでどんな演技を見せてくれるか、とても楽しみだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)
【岡崎真の目】羽生、失敗した後も丁寧な演技 五輪連覇へ“本気”感じる
ジャンプの失敗が目立ち、フリー5位で結果的にはフェルナンデスに逆転を許した羽生だが、演技全体を通して見ると印象は悪くなかった。何より感心したのは、ジャンプで失敗した後も気持ちを制御して、プログラム全体を丁寧に演じきったところだ。
例えば、静かな曲調で動きを激しくしづらいためレベルは3にとどまったステップ。一つ一つを丁寧に行って、GOE(出来栄え評価)による加点を引き出している。ミスが重なると抑えられがちな5項目の演技点で9点前後を得たことも審判に丁寧さが伝わった証拠の一つではないだろうか。
改めて確認しておきたいのは、ジャンプはあくまでプログラムの要素の一つにすぎないということだ。これまでの羽生はノーミスの演技の中でもジャンプに焦点が集中し過ぎ、ジャンプ以外の部分に「余白」を感じさせることもしばしばあった。だが、前日のSPも含め、今季は明らかに違う。本気で五輪連覇を狙っていることを感じさせてくれるし、このままの方向性でジャンプの精度が高まれば「凄いことになる」という予感がしている。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)
例えば、静かな曲調で動きを激しくしづらいためレベルは3にとどまったステップ。一つ一つを丁寧に行って、GOE(出来栄え評価)による加点を引き出している。ミスが重なると抑えられがちな5項目の演技点で9点前後を得たことも審判に丁寧さが伝わった証拠の一つではないだろうか。
改めて確認しておきたいのは、ジャンプはあくまでプログラムの要素の一つにすぎないということだ。これまでの羽生はノーミスの演技の中でもジャンプに焦点が集中し過ぎ、ジャンプ以外の部分に「余白」を感じさせることもしばしばあった。だが、前日のSPも含め、今季は明らかに違う。本気で五輪連覇を狙っていることを感じさせてくれるし、このままの方向性でジャンプの精度が高まれば「凄いことになる」という予感がしている。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)
那由他さん、一問一答、ありがとうございます。
返信削除うん、良い初戦だったね。一つの試合で天国と地獄?を経験できて。
これもみんな五輪に繋がっているんだよね。
弱い自分も認め、乗り越えようとする姿勢、好きだなあ~♡
ケガなく大舞台が迎えらえますように♡
今シーズン、一喜一憂せず、信じてついて行くからね。
「もう、しょうがねえっ!」
那由他さん、まとめてくださってありがとうございます。
返信削除全体像がわかりました。羽生君らしい返答。常に冷静。常に高みを目指している。そして前へ前へとぶれることなく、進む姿。全力応援です。